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「さて」
灰色の空間、一人の男がぼそりと呟いた。
その男の容姿は黒髪黒目、鋭い目とニヒルに歪んだ口元。
その他諸々あるが今はこれだけにしよう。
その男は俗に言うイケメン…なのだろうが、絶世の美形か?と聞かれたら、いや、そうでもないね。と言われる程度である。
まあ、そんな男はこれでも神である。
と言っても、新参者で未だ部下である天使は一人しか居ないのだが。
それでも、その男は自分の事をこう言った。
俺は世界の始まりの三つのうちの一つ、最後の神だ。
と。
それが何を意味しているのかは分からない。
しかし、矛盾だらけであることは分かりきっている。
なぜ、彼は新参者ながら―――始まりの内の一つなのだろうか…?
否、考えるのはよそう。
それはもしかしたら答えの無い問いなのかもしれない。
まあ、コレの事だから実は馬鹿馬鹿しい事実なのかもしれないが。
それはさて置き、先ほど言ったようにこの男は今現在人材不足で困っている。
ふと、何かを思いついた男は何も無い中空から紙と万年筆を取り出す。
さらさらと何かを書き、それを灰色の地面に落とした。
その紙は――――黒い封筒に包まれ地面に吸い込まれていった。
男はため息をついた。
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