第二章 世界の意思と月の神

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『マスター!!や、やめっ!!』 「うおぉ…すげえ手触りだ…すべすべひんやりが気持ちいい…」 や、マッドサイエンティストの漸だ。 名は体をあらわす…って言うけど、俺には全然当てはまらないね。 自惚れる訳でもないけど、俺はどんな発明も半年で完成させてきた。 ま、そんなことは今は些細な問題だ。 今現在、俺は暗い森をさ迷い…迷子になった。 それもこうもあの神がログアウトしたからだ。 念話で呼びかけても応答無し。 で、藍理に道を聞こうと思ったんだけど…。 藍理はここに住んでいたわけでもなく、意識を失って気が付いたらここで俺が目の前に居たって言っていた。 …全部あの神のせいだな。 で、先ほどから木々を倒しまくっている藍理に縮小の魔法をかけて、ちびドラゴンと化した。 そんな藍理を抱きしめ、すべすべの鱗を撫でまくってたのである。 それにしてもわたわたと暴れる藍理を物理的に動けなくして、俺は適当に歩みを進めていた。 『ますたぁ…。我は自分で歩けるのだ…』 「歩幅が小さいから却下」 『マスターが小さくしたのだろう!!』 過ぎたことを…。 ┌────────────┐ │よっ、遅れたな。    │ │早速ナビゲートと今後の活│ │動予定を話すぜ。    │ │ああ、後道はこのまま真っ│ │直ぐだ。       ▼│ └────────────┘ 《おいおい…今の今まで何をしていた?》 ┌────────────┐ │悪い、世界の認知と神に感│ │づかれる時間を逆算してい│ │た。結果としては世界に認│ │知される時間は一週間、こ│ │の世界の神に感づかれる時│ │間は一ヶ月だ。まあ、俺が│ │干渉しているせいだがな▼│ └────────────┘ へぇ…。 その間に俺はどうすればいいのだろうな? 取りあえず藍理をなでなでしながら続きを聞くとする。 『ますたぁ~…いい加減に下ろしてくれぇ…』 「却下」 恐らくドラゴンとしての自尊心がズタズタにされているのだろう。 うん。ドSとして心が満たされるよ。
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