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穏やかな倦怠感が身体を包む。
そうか、そろそろ命の発条(ぜんまい)が止まるんだね。
僕以外、誰もいない公園のベンチに寄りかかり…目を閉じる。
ああ、なんて穏やかな終焉だろうか。
戦場で死ぬとばかり思っていたのにな…
僕には勿体ないくらい、綺麗な終わりだ。
春には不釣り合いな雪景色の中で命終える僕は、少しでも綺麗に見えるだろうか?
いいや、
そんな訳…ないよね。
白い雪に飾られても、決して僕の罪は無くならない…
ならばこのまま、冥府まで罪は全部連れていこう。
春の雪と共に、消えていこう。
それがせめてもの、罪滅ぼし。
(春の雪――――どうか、罪に染まった僕を閉じ込めて)
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