7ー 散華

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7ー 散華

人のなかで忙しなく生きるよりも 拠る辺のない野の花のように、美しく穏やかに生きていたかった。 時に委せて季節を愛でながら 風の音に、潮騒に耳を寄せながら 生きていけたなら、幸せだったのに 今はすべてが遠い。 ゆるやかに沈みゆく身体は、ワダツミに抱かれて散華する。
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