1ー 桜降る…

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うららかな午後の陽が降り注ぐ、桜降る奥津城。 苔むす事なく手入れの行き届いた石碑は時間の経過を全く感じさせない。 その石碑に寄り添うようにして、命を終えた一人の女性が微睡んでいた。 待ち続けること五十余年。 きっと、ついに待ち続けた夫が迎えにやって来たのだろう。    永久の眠りについた彼女は、あまりにも幸せそうだった。
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