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そんなとりとめもなく、あまり内容もない話をしていると、いつのまにかすでに頃合いは五時頃になっていた。
いやはや、パジャマパーティーの前にすでにテンションがクライマックスだったようで。
とりあえず、あたしたちは入浴を済ませることにした。
運が良いことに、今日は道場は休みで道場と兼用して使用している大浴場はがら空きだ。
つまり、あたしたち五人だけで独占して入浴を楽しむことができるのだ。
というわけで、あたしたちは手早く準備を済ませると、さっさと大浴場へと歩いていく。
まあ、大浴場とは別に一般家庭用サイズの風呂はあるのだけど、基本的にこちらしか利用しない。
脱衣場へはいると、それぞれは服を脱ぎ出していき、彩未は一番風呂とか抜かしつつ浴室へと入っていった。
はっきりいって、一番風呂は叔母さんだと思う。
「ひろいねー」
「まあねー。男の子が入る日って、あんまり入りたくないけどね」
まあ、汗だの皮脂だの浮いてるしな。
不潔になった体を清めるんだから、当たり前のことだろうに。
とは言えど、あたしもその辺りは気になるもので、そういった日は大抵、シャワーで済ませるようにしている。
「相変わらず、可憐ちゃんきれー」
「そ、そうですか?」
後ろでは麻奈と可憐がなにやら楽しげだ。
あたしはといえば、すでに体を洗い始めている。
浴室にはいって、お湯にかかってから先に浴槽に浸かり、それから体なりを洗う人が多いらしいのだが、あたしは先に体を洗ってしまう方だ。
潔癖症というわけではないが、何となく先に汗を流したいのだ。
「梓さん、背中、流しましょうか?」
「ん?…頼む」
なかなか個人では洗いづらい背中は、とりあえず可憐の好意に甘えておくことにする。
というか、可憐の力加減は絶妙で、とても心地いいのだ。
なおかつ、こいつは一通り背中を流すと、肩と背中をマッサージしたりする。
なんだか、あたしの回りにはマッサージ好きが多い気もする。
「そういや、阿蘇研修以来だよな、こうして皆で風呂にはいんの」
「まあ、皆さんはそれぞれすむ町が違いますしね。私なんて、ここからかなり遠いですし」
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