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驚きで声も出ない。
夢でも見ているんじゃないか?
「お前、私が見えるのだな」
「へ?」
「不思議なこともある」
狐は、勝手に頷いて俺にズイっと細く切れ上がった凛々しい顔を近づけてきた。
「ほう、姿ならず声までも聞こえるか。
なかなか奇異なこともあるものだの」
奇妙なことで、脳が凍っていたがやっと動いてくれた。
解凍された脳は危険という危機感をいち早く出す。
俺は何かこの狐をどける手段はないかとあたりをみまわした。
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