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周りにいる生徒たちは、俺が未だに倒れているのを面白そうに見つめているだけ。
助けようとする人1人もいない。
「無駄だ、私は普通の人間には見えない」
狐が俺の視線に気がついたのか、哀れむように俺の頬を舐めた。
ざらざらした舌の質感が直に伝わってくる。
「お前、一体何者なんだ?」
「別に、お前なんぞにいう気はない」
「だったら、ここから降りてくれないか?」
まずい、どうやら狐の普通の人間には見えないという言葉は事実だったらしく、周囲から可哀想な子という目で見られ始めている。
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