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「あんた、何者なんだ?」
机に座り直した俺は、狐が机に上るのを待ってから話した。
「言ったろう、お前なんぞに言うわけがないと」
「だったら、ここから居なくなってくれませんか?」
「なぜ?」
「何故って、決まっているじゃないですか、あなたが怖いからですよ」
「怖い、私が?」
何か地雷を踏んでしまったらしい。
狐は、何やら新しい玩具が見つかった子供のような笑みを浮かべる。
尻尾を犬のように左右に喜びを表現しているようだった。
「そうか怖いか、くくくっ」
「はい、ですから・・・」
「気に入った、お前私を飼え」
「はあ?」
「私の名前は、レイリュウだ狐の中でも名のしれた者なのだぞ」
レイリュウと名乗った狐は自慢げに鼻を鳴らす。
狐の名の知れたものといわれても、ああそうですかと言うしかないだろう。
「どうだ、私を飼う気になったろう?」
自信たっぷりにレイリュウがいう。
この狐、狐の世界でもこうやって威張っているのだろうか。
多分友達は少ないと思う。
苛められの俺が言うのだから間違いない。
「何か、失礼なことを思っていないか?」
「え、いやそんなことは」
「ふん、まあいい。で、だ私を飼う気になったろう?」
「飼うってどういうことですか?」
「飼うというのはな、朝昼晩と食事を与えて・・・・・」
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