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「今日は、科学の方式を・・・」
理解教師の飛鳥先生がチョークを片手に汚い黒板に文章を書き始めた。
めんどくさそうに教科書を出す音が多々聞こえてくる。
「おい、あの黒い板は何だ?」
レイリュウが物珍しそうに黒板を見つめていた。
黒板を知らないんだろうか。
というかそれ以前に、机から降りてほしい。
「あれは、黒板っていうの」
「黒板とな?」
「そう、字を書くための道具」
「ほう、200年の間に人間の世は変わったの」
レイリュウはしみじみと頷いて、あの白い短い棒は何かといってきた。
「チョーク、鉛筆みたいな物だよ」
「鉛筆?」
「それも知らないんですか?」
「知らんなあ、200年前はそんなものなかった。それに、字を横に書くなんて考えられんわ」
200年前その言葉が本当だとすると、この狐は江戸時代から生きていることになる。
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