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共感がもてる狐と出会って俺は少し救われた気分になった。
「近藤といったな、お前はあいつに復讐したりせんのか?」
「復讐て」
「我らの世界では、やられたらやり返せ頭の形が変わるまで。
と言うのがモットーなんだが」
妖怪の世界なんかと同じにしないでほしい。
少なくとも、俺は人間でまちがいないのだから。
「人間は、復讐せんのか残念だの」
本当に残念という様子で、レイリュウは室町を見つめている。
そろそろ、机から降りてくれないだろうか。
「私が、変わりに復讐してやろうか?」
「止めてくれ」
妖怪にまかせたりなんかしたら、それこそ死者がでてしまうかも知れない。
悪くすれば、それが俺の所為なんてことにもなりかねないのである。
この狐は、そういう常識をわかっていない。
「ぬう、ああ退屈だなあ。誰かに復讐したいなあ」
子供みたいにだだをこね始めた。
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