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始めのうちは俺も先生に伝えるなどをしていたが
俺の苛められる回数は増える一方で諦めるしかなかった。
高校へは正直入りたくなかったが今や全中学生のほとんどが高校へ行く時代・・
時代の波に逆らうには苦労が今以上になると聞いたので諦めた。
そんなどうしょうもないことを思っている間に高校の校門に着いていた。
校門に立っている先生に挨拶をして自転車置き場に自転車を置く。
いつもと変わらない通学風景。
小鳥の囀りが妙に響く。
「よお弄られ」
教室に入ると生徒のボスのような存在である室町 関白に声をかけられた。
室町は中学生時代の俺を一番始めにちょっかいを出して来た奴だ。
憎たらしいつり上がった狐のような目が俺を獲物をかる野獣のように見つめている。
「何?」
「何ってことはねえだろう?弄られ」
室町は手を俺の肩に回して俺の体を嘗めるような目つきで見る。
<弄られ>とは俺に付けられたあだ名である。
気に入っていないも何も室町が勝手に付けたあだ名なので何もいえなかった。
「金出せ」
「今日は勘弁してください」
毎日のようにお金を巻き上げられているのでそろそろ貯金が底をつきそうになってきている。
貯めていた貯金があっという間に無くなのだから親も俺に学校で何かあったのではないかと言ってきていた。
「出せ」
室町は目を細めて俺の前に手を出た。
肩を掴んでいる方の手が跡が残るかもしれないというほど強く握られた。
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