昼休み

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夢だったのだろうか。 あの男が出てきてしまった。 今度もまた何かを奪われたらしい。 激しい嫌悪感が俺を襲う。 教室には誰もいなくなっていた。 時計は下校時間をとっくに過ぎていた。 「近藤、お前何処へ行っていた?」 レイリュウがすたっと、俺の机に着地する。 「突然お前の姿が消えるから、びっくりしたわ」 あのとき、聞こえていたパニックの声は俺が消えた動揺からのものだったらしい。 だとすると、昼休みからずっと俺は暗闇の中にいたことになる。 そこまで、時間がたったという感覚がない。 ほんの30分程度だと思っていた。 「レイリュウ」 「何だ?」 「何でもない」 「気づいとる、お前に影がないことくらいな」
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