教室

9/20
前へ
/349ページ
次へ
・・・幻覚でもみたのだろう。 目をこすってからもう一回机の下をのぞき込む。 「何だ、二度も見て」 狐が口を人のように器用に動かして、しゃべった。 「うおっ」 驚いた弾みで、俺は椅子から落ちてしまう。 ガタンと派手な音がして、俺は頭から床に激突した。 「いったああ」 「やだ、苛められが」 「本当キモイよね」 周りが俺を指さして笑う。 だが、誰もこの金色の狐のことをいおうとしない。 俺がこけたことよりも、インパクトが強いはずだ。 「人間、一つ質問だ」 机の中から素早い動きででた狐は、倒れた俺の上に乗っかった。
/349ページ

最初のコメントを投稿しよう!

38人が本棚に入れています
本棚に追加