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「…何を勘違いしてんのかな、久吉くん?」
がっしりと相手の肩を掴んでニコリと笑ってみせる蓮だが、全く笑えていない。
俺の目の前の男。
久吉涼介(ヒサヨシ リョウスケ)、俺と同じクラス。
しかも頭脳明晰で学級委員長だ。
無愛想で口を開けば鬼畜。
正直、扱いにくい人間だ。
「…だって、なぁ?」
久吉が不適な笑みを浮かべて後ろに視線を移した。
その先には、こぼれたままの白い液体。
意味がわかってしまった途端、蓮は茹で蛸のように赤面。
「~~~~っあれは牛乳だ!!勘違いすんなっ!!!!」
"純吾、さっさとふけ!!"と怒鳴り散らすと純吾は"なんだよ~蓮が牛乳吹いたんだろ~"と文句を言っていた。
そもそも誰のせいで牛乳吹いたと思ってんだっ!
「…冗談だ、本気にするな。」
ククッと喉を鳴らして笑い、蓮が手に持っていたぞうきんを奪うと久吉は純吾の隣に腰をおろした。
「…で?委員長が何の用だよ。用があってきたんだろ?」
苛つきを抑えつつ振り返って問いかけた。
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