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「入り口に立たれると邪魔だ。どけ、チビ。」
突然、後ろから不機嫌MAXな声が聞こえた。
…今、なんて言った?
チビ……チビ、だと?
「……誰がチビだこのやろ―…」
思い切り睨みつけて怒鳴ろうと振り返ったけど、相手の顔を見て固まった。
それは向こうも同じみたいで、目を見開いたまま固まっている。
「……な、なんで久吉が―!!」
「それはこっちの台詞だ!」
俺の前に現れたのは、久吉涼介。
どうして久吉がここにいるんだ!?
驚きのあまり動けずにいる蓮をどこか気まずそうに一瞥してから、久吉は横を通り過ぎる。
「…さっさと帰れ、お前が来ていい場所じゃない。」
冷たく言われて、どうしてそこまで言われなきゃいけないんだって思って俺はあからさまに眉を寄せた。
「これからここで働くことにしたんだ。お前こそ、どうしてここにいるんだよ。お前が帰れ。」
「ここで働く!?」
蓮の言葉に、久吉は物凄い形相で振り返る。
信じられないとでも言うように声を上擦らせていた。
てか、俺の質問は無視かよ。
「本気で言ってんのかよ。お前みたいな奴が―…」
「俺が蓮をスカウトしたんだよ。」
久吉の言葉を遮るように葵が口を挟む。
その途端、久吉の表情が一変した。
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