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あっという間に放課後。
未だに気乗りしない蓮は、純吾と一緒に喫茶店Gimmickへとやってきた。
レンガ造りのオシャレな外装。
いかにも女が好きそうな雰囲気だ。
「…すげぇ、人。」
まず人の多さに蓮は眉間に皺を寄せる。
騒がしいのが苦手な蓮は既に帰りたい気持ちが心を支配していた。
店内に入ってもオシャレな雰囲気は続く。
見事に女性客でいっぱいだ。
ちらほら男もいるけど…。
2人は空いてる席へと腰をおろした。
「すっごい繁盛してるね~。」
「…うん。そんな人気なんだな。」
蓮は辺りを見渡しながら呟いた。
どのお客さんも笑顔がキラキラしている。
それは俺の目の前にいる奴も例外じゃない。
「…確かに、男一人で来るには、キツいか。」
「ん?何?蓮。」
「いーや、何でもねぇよ。」
そう言って蓮はメニューを手に取った。
純吾の嬉しそうな顔見てたら、なんかどうでもよくなってきたな。
せっかく来たんだから、俺も楽しんでいこう。
「早く何か頼もうぜ―…」
――ガァーン!!
ようやく機嫌が直った蓮の声をかき消すように、テーブルを蹴る音が店内に響いた。
静まり返った店内は自然と騒ぎの方へと視線が集まる。
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