★3★ヒカル

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だからって、ここになじめるかっていったら。 それはそれでまた、別レベルの話。 俺は女の子が逃げていった方角へ目を向ける。 言うまでもなく、もうとっくに彼女の姿はなかったけど。 幼い顔の女の子。 それは俺に、蜂蜜天使のライブに来ていたファンの子たちを連想させた。 ふと、足元に落ちている小さな手帳に目がとまる。 金網の隙間から、手を伸ばして拾い上げた。 深澤女子大学高等部2年3組 来栖若菜 表紙の裏側には2枚のプリクラ。 同じ制服ながら、天真爛漫な笑顔は学生証の写真よりも数割り増し可愛い。 しばらくながめた後、その落とし物を雑草の陰に隠す。 もし、あの子に俺の物語を聞かせたら。 一体、どんな顔をされるんだろう。
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