1.始まりは大抵寝起き

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――――――― ――――― ――― 「……んっ………」 鳥の囀ずりが聞こえる 上体を起こして窓の方を見やるもカーテンに遮られ外の様子は伺い知れない 今何時だ…… ベッドの脇に置いてあるテーブルの上から眼鏡をとり、まだ買い始めて間もないスマホのディスプレイを確認する 薄暗い部屋にぼんやり輝くディスプレイには5時30分と映し出されていた 今日は月曜日で学校は8時30分からSHR(ショートホームルーム)が始まる 家からは大体自転車で15分程の距離なので予め起きる予定だった時間よりもだいぶ早い 普段の僕なら予想外に早すぎる時間帯に二度寝を決め込もうとするが、今はとてもじゃないがそんな気にはならなかった 頭を過るのは今朝見た夢――あの名も顔も全くわからない不思議な少女のこと あの娘と面と向かってみてまず感じたのは何だか懐かしい気持ちだった 顔も何もかもがわからない彼女に僕はなぜそんな感情を抱いたのか
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