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私は自分にも誕生日、というものがあることを、小学生まで知らなかった。…というより、誕生日の意味を知らなかった。
姉の誕生日から1週間後の私の誕生日は、いつもと変わらなく過ぎて行く。私はそれすらも気づかない。
なにげに母親に言ったことがある。
「私もローソクフゥーッってしてみたいなぁ…」
「お姉ちゃんは大きいからね。」
母親の言葉をきいて、大きくなったらケーキのローソクを私が消せるんだ…そう信じていた。
……見事に裏切られることも知らずに。
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