第一話

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◇ スキル、と呼ばれる特殊能力がこの世界には存在する。 どこから生まれたのか、何故生まれたのか、どうしたら備わるのか、遺伝はするのか、などなど分からないことはまだまだ多いが確かに存在する。 それは俺のスキル『ビルドアップ』のように見た目地味だが、日常生活に割と役立つようなものもあれば、"炎を出す"とか"変身する"と言ったような派手で、危険で、ファンタジックなものまで種類は様々だ。 昔、まぁ何百、何千年前はスキル保持者――ホールダーはもっと希少でその能力を駆使し時の為政者になった者や、逆にその能力故に魔女だ、悪魔だ、と迫害されたり処刑されたりした者もいたそうな。授業で言ってた。 そんなホールダーも我が国の人口の五分の一を占める程にまでなり、政府としてもあまり無下にして怒らせると非常困る存在になった。 そこでホールダーと非ホールダー、つまり一般市民とを安全かつ相互協力的な関係で結ぶような体制が十数年前に整えられた。 その一つに、ホールダー専用の高等学校というのがある。 スキルをまともに使うことが出来るようになるのは一般的に15~17歳かららしい。それ以前では正しく発動せず、不発に終わるのがほとんどなのだそうだ。 俺自身も、初めてまともに発動できたのは二週間前のことだ。 あれはホントにテンション上がった。 ともかく、それが高校に入学する時期と一緒だということでこの制度が導入された。 目的はスキルを安全で正しく、高度なレベルで発動をするための技術と、スキルを悪用しない、ましてや「この力で世界を征服してやる」なんて痛々しくも危険な思想を持たない、清く、健全な心を育成するため。 ここ鳳(オオトリ)学園もその一つ。 自由と競争を重視する校風で、全国の他のホールダー専用高校の中でもあらゆる面で上位に立つ。 特に部活動が盛んで、専用高校、普通高校合わせた全国大会でもなかなかの成績を残す部活もちらほら。 ちなみに競技中はスポーツマンシップに乗っ取り、スキル禁止だ。
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