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とある日の帰り道。
「ねぇ君、ちょっと時間あるかな?」
「…まぁ、少しなら大丈夫ですけど」
ふと、綺麗な女性に声をかけられた。
「……でね、これなんだけど。これを身に付ければ運気が上がるの。」
「へぇ…すごいですね♪」
「今なら安くしとくから…」
「あっ、桃ーっ!!」
向こうから走ってきたのはコジくん。
コジくんは息が整わないうちに話し出した。
「はぁ…っ、桃お待たせ!じゃあ行こうぜ♪」
「えっ?どこに…?」
「何言ってんだよ…約束したじゃんかー」
コジくんに無理矢理手を引かれて
僕たちは歩き出す。
「あっ!ちょっと君たち…」
後ろからさっきの女性の
舌打ちが微かに聞こえた気がした。
「はぁ…桃。全く何やってんだよー」
「え、何が…?」
「さっきのはどう考えてもキャッチセールスだろーが!お前、騙されるとこだったんだぞ!」
「……えっ!ほほ本当に?!」
「はぁ…気をつけろよ。あ、じゃあ今からナンパしに行くから♪じゃあな~♪」
相変わらずチャラいコジくんだけど
本当は僕なんかよりずっとしっかりしてるんだ。
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