僕の宝物

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. 「あ、おはようございます。メガネ先輩」 「あ、光くんおはよー…」 「あれ、今日は『メガネって呼ぶなー!』って言わないんですね?」 「はは…」 今日はちょっと体調が悪くて。 無理して学校に来てみたものの 頭がボーッしてる。 いつもより体温が高い気がするし。 熱があるのかな…。 「…桃先輩。保健室行きましょう」 「え、何言ってるの…」 体調が悪いことは誰にも言ってないのに…。 「顔赤いし…体調悪いんでしょ?俺も付き添いますから…」 「………ありがとね、光くん」 「お礼はいいですから、さ、背中に乗ってください」 決して軽くはない僕を 光くんは保健室までおぶってくれて。 普段、生意気でクールな光くんだけど 本当は心があったかいんだ。 光くんの不器用な優しさが伝わってくる。 .
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