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とある日の登校中。
「っ…いってえ」
「あ、すっすいませんっ」
僕の不注意で柄の悪い輩にぶつかってしまって。
「あの、…ぶつかったことは謝ったじゃないですか」
「はぁ?…ふざけんなよテメェ!」
「ひひっ…ちょっと面貸せよ。楽しいことしようぜ♪」
「あ……っはう」
人気のないところに連れていかれ、輩に囲まれる。
抵抗も虚しく殴られ蹴られ。
「あーあ、もう終わりかよつまんねー」
「ははっ、だっせーな…」
へらへらと僕のことを笑う輩。
「…っうう」
何度も何度も殴られ
僕はその場に力無く座りこむ。
力がないのは虚しい。
結局力がないものが損をする。
『やっぱり僕なんて…、』
そんな思いが頭をよぎった時。
「…ちょっと待てや、お兄さん」
「このまま帰すわけにはいかねーんだよ」
目が霞んでよく見えないけど
僕はこの声を知ってる。
「桃…立てるか?」
「俺たちが来たからもう心配すんな」
「うっ……。蓮くん…、浦正くん」
タイミングよく現れた
僕の正義のヒーロー。
「ほな、この喧嘩…買わせてもらうわ」
「蓮次…久々に派手にいこうぜっ」
「誰だよお前ら…まぁいいや。…オラぁっ」
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