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わかってるんだ。
…頭では。
ちゃんとわかってる。
曜介は、もう戻って来ないこと。
わかってるけど…。
「コジ……お前だけじゃないからな」
顔を上げれば
狂平の切なそうな横顔が目に入った。
「俺だって、本当はスゲー寂しいんだから」
狂平は泣いてなかったけど
目の奥が泣いてた。
「きょ、へい………うぅ、…俺っ会いたい、よすけにっ」
「きっとみんなも同じ気持ちだ。みんな我慢してるだけだから…」
夢の中で見た曜介の背中。
その背中はすごく小さくて。
でも、誰よりも
大きくて重いものを
一人で背負ってたんだな。
でも、その重荷を下ろしたなら
今度は気軽に会いに来てくれよ。
みんなお前のその嘘偽りのない無邪気な笑顔が
見たくて見たくてたまんねぇんだからよ。
end
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