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エントランスはタイル張りになっていて、上の照明から溢れる光が反射するほど綺麗に手入れをされており、その先にはエレベーターが二つ。
もう一度住所の書かれた紙を確認してからエレベーターへ乗り込み、目的地である9階のボタンを押した。
静かに動きだしたエレベーター。
フワッとする感覚と共に止まった階は6階。
こんな中途半端な階数から人が乗るなんて不思議だな……なんて考えていると、開いたドアの先に見えたのは一人の男性。
歳は同じくらいで、チャラそうな金髪にピアスがジャラジャラ。
「どーもどーも、失礼するお」
し、失礼するお……?
なんだか良く分からないが変わった人だな。
それからドアが閉まり、9階目指して再度上がりだす。
そして9階へと到着した瞬間、金髪さんが大声を上げた。
そりゃもう密室の中、俺がいるのにも関わらず大声を上げた。
「う、上だったのか!?」
ダメだこの人。
変わった人プラス天然だよこの人。
俺は逃げるように頭を下げて廊下へと足早に出た。
それから閉まったエレベーターを背に感じ、902号室を探すべく廊下を歩く。
すると、むかって左端に発見。
鍵を差し込みカチャリという解除音を確認し、鍵を抜き取っては深く呼吸を整えた。
好奇心から始まる俺の一人暮らし。
その一人暮らしにいっぱいの期待を込めて……いざっ!
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