三上 海斗編

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結局その日は勇気が出ず部屋で過ごしたんだが… 更に一週間過ぎ2度目の水曜日、俺は行動にでた 凜に捕まらない為早退と偽って、5時間目から東棟の第2調理室側の階段に隠れる事にしたのだ 幸い、東棟は実習室ばかりで授業以外で近づく人はいない そのまま放課後を迎えると、数人の生徒がやって くる。その中に、俺の後ろで話ていた子もいた 「誰にも見られなかったよね?」 「大丈夫!先生に呼ばれたって言ってきたから」 「楽しみだね!今週も上手に出来るといいね!」 あぁ…楽しそうだな 俺も仲間に入りたい! けれど此処から出る勇気まではなく、教室が始まるまで息を潜めるしかなかった 「今日も沢山集まってくれたんだね!皆で美味しいお菓子作ろうね!」 おそらく藤宮の知り合いらしき人物の声がして、中から笑い声やシャカシャカと何かを掻き交ぜる音がする 俺は足音に気をつけながらドアに近づき、そっと中を覗いた 「近衛先輩!此処はどうするんですか?」 「これであってますか?」 「はーい!ちょっと待ってねー!」 驚いた。皆に教えていたのは同じ三年の近衛だった 学園では滅多に見かける事がなく、家の手伝いとか病弱とか実は不良だとか色々な噂がある生徒だ そんな奴が親衛隊と仲良し...?疑問だらけではあるが、それよりお菓子作りをしっかり観察しておかなければ! 後で作ってみたいからね
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