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退屈な数学の授業が終わり、また休み時間に入った
あたし達のクラスは、次は英語
前方から近づいてくる女子が一人
「ゆーみっ!さっきの時間また城野くんきてた?」
彼女は宮川咲歩(ミヤカワ サキホ)
一年生の時から同じクラスの親友で、
大人しくて小柄で、お人形みたいに可愛い女の子
ついでいうと頭も良くて、あたしとは正反対だ
「うん、また英語の教科書かしてってさ。全くいつまで経ったら新しいの買うんだろうね」
「ふふ、ほんとうに仲良しね。羨ましがってる子沢山いるよ?」
「はぁーっ!?あたしを?」
「うん。城野くん頭いいし気が利くし、スポーツも万能だから、密かに人気があるみたいなの」
「きゃははは!うーっそだあ!だってあんなんだよ!?ありえないって………いったあ!!
「おうコラじじい。だれがあんなんだあ?」
「げっ翔」
突然頭を殴られた衝撃に振り返ると翔が立っていた
片手にあたしの丸まった教科書が握られているところを見ると、さては翔、それで殴ったな?
「げっじゃねえよじじい。翔様がわざわざ教科書持ってきてやったんだから、もう少し嬉しそうな顔しろ」
「ちょ、あんた何そのキャラ。あと持ってきてやったじゃなくて、そもそもその教科書あたしのだし」
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