第2話

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「ああ…うん。別れよって。」 「…ユイちゃんのことは?聞いたの…?」 「んー…ちゃんと聞いてない。言い逃げしてきちゃったし。でももういいの。私もなんか違うなって思いながら付き合ってたし。」 「そっか…。」 ユキはそれ以上、何も言わなかった。 だから私も、本当に終わりにした。 学校に着き、上履きにはきかえ、ユキと2人、教室に向う。 3年生の私達の教室は、校舎の2階にある。 1階は職員室、2階は3年生、3階は2年生、4階は1年生と、見事に年功序列の振り分けになっている。 2階に続く階段を上って、右手に長い廊下が続く。 HRが始まる前の廊下は生徒たちであふれかえっていた。 教室に入る手前で、誠一とユイちゃんが一緒にいるのが目に入ったけど、一度目を合わせてから、顔を背け無視をした。 教室の中は、外よりも随分暖かかった。
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