第2話

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**** カチ、カチ、カチ。 時計の秒針の音が、静かな教室によく聞こえ、15時ちょうどを回ったと同時に、授業終了を告げるチャイムがなった。 あれ…。もう放課後になるのか。また寝ちゃってた…。 昨日あまり眠れなかった私は、この日何度もうとうとし、6限目は寝てしまっていた。 「おっと、もう終わりか。はい、じゃあ続きはまた明日。今のとこ終わらなかった人は宿題ねー。答え合わせからはじめるから。」 教壇に立っていた先生が、手に持っていた教科書をパタンと閉じながら言った。 「おーい。小橋。担任の授業なのによく寝てたなぁ。」 さっきまで、授業をしていた担任の青木先生(27)が、目を薄くして私を睨んだ。 「…すみません。」 まだ頭がぼーっとしていたけど、とりあえず謝っておいた。 「この後HRで配るプリント、職員室に忘れたから取りに行ってくれる?俺の机に置いてあるから。」 「えっ。」 「…文句ある?」 「…。」 あるとは言えない。 「わかりました。」 私はゆっくりと立ち上がり、教室を出た。 .
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