第1話

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「別れよ。」 この男。誠一(18)。 たった今まで私の彼氏だった。 その名の通り、誠実第一の男かと思いきや。 放課後の教室に、話があるからと誠一が言うので、2人で残っていた。 「…あのさ、誠一。」 「…なに?」 「なんで…私と付き合おうと思ったの?」 「なんでって…。麻衣のこと、可愛いって思ったから。でも…麻衣ってさ。 …なんてゆうかその、…俺のこと、好きじゃないんでしょ?」 私は誠一に、ニッコリと笑顔をむけた。 「誠一って口だけだよね。見た目よりも軽いんだ。男が優しいのは、みんな最初だけだね。ヤりたいから優しいんだね。」 「はあ?」 彼の眉がピクリと動いたが、私は構わず続けた。 「正直がっかりした。隣のクラスのユイチャンと仲良くヤりまくってね。じゃーね!」 そう言って私は教室を後にした。 誠一が何か言っているような気がしたけど、聞こえないフリをした。 もう、いい。 体が欲しいだけの男なんていらない。 俺のこと好きじゃないんでしょ、はヤりたいのにヤらせてくれない、っていう意味だ。 男はみんな、穴があったら入れたいの。 そういう生き物。 誠実な男なんて、いない。と悟った、小橋麻衣、(こはしまい)18歳の秋。
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