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「別れよ。」
この男。誠一(18)。
たった今まで私の彼氏だった。
その名の通り、誠実第一の男かと思いきや。
放課後の教室に、話があるからと誠一が言うので、2人で残っていた。
「…あのさ、誠一。」
「…なに?」
「なんで…私と付き合おうと思ったの?」
「なんでって…。麻衣のこと、可愛いって思ったから。でも…麻衣ってさ。
…なんてゆうかその、…俺のこと、好きじゃないんでしょ?」
私は誠一に、ニッコリと笑顔をむけた。
「誠一って口だけだよね。見た目よりも軽いんだ。男が優しいのは、みんな最初だけだね。ヤりたいから優しいんだね。」
「はあ?」
彼の眉がピクリと動いたが、私は構わず続けた。
「正直がっかりした。隣のクラスのユイチャンと仲良くヤりまくってね。じゃーね!」
そう言って私は教室を後にした。
誠一が何か言っているような気がしたけど、聞こえないフリをした。
もう、いい。
体が欲しいだけの男なんていらない。
俺のこと好きじゃないんでしょ、はヤりたいのにヤらせてくれない、っていう意味だ。
男はみんな、穴があったら入れたいの。
そういう生き物。
誠実な男なんて、いない。と悟った、小橋麻衣、(こはしまい)18歳の秋。
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