第1話

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誠一には、一ヶ月程前に告白された。 大事にするから。 あの時、確かにそう言った。 同じクラスの誠一は、まあまあかっこいい。最近人気の若手俳優に似てるって、女子が話していた。 ノリもいいし、モテるタイプ。だと思う。 彼を男として意識したことはなかったけど、「大事にするから。」の言葉に心が動いた。 この人を信じてみようかって。 そんな言葉に揺れたなんて、私も所詮、女なんだなと思った。 付き合って最初の1週間は楽しかった。 一緒に帰って、お茶したり、勉強したり、カラオケ行ったり。 だけど、2週間が経ったころ、誠一は私にやたらと手を出してきた。 キス以上になりそうな時は、頭が痛い、とか、熱がある、とかでごまかしてきたけど、そのごまかしは長くは続かない。 まだいやだ、と1度正面から拒んだら、わかったと口ではいいながら、顔は不快感でいっぱいになっていた。 その顔を見て、すごく悲しくなった。 …嘘つき。 ぽつりと呟いたが、彼には届いていなかった。 そして3週間が過ぎ、一緒に帰らなくなる日が多くなった。 「今日用事あるから、先帰るわ。」 そう言っていたけど、私は見てしまった。 1人で帰っている途中、誠一と何度か行ったカフェの前を通った時。 …あれは…。誠一と…隣のクラスのユイちゃん。 2人は仲良くパフェをつついていて、 その姿は誰からみても、仲の良いカップルだ。 …用事、ね。 ユイちゃん(18)は、女の私から見ても可愛いと思った。ふわふわのパーマ。ほんのりピンクのほっぺ。色白できれいな脚。 くりくりした目。 女の代表のような、綿菓子みたいな女の子。 …てゆうか、おんなじカフェ使うなよ、バカじゃないの。 それから1週間が過ぎたころ、誠一は、別れようと言った。
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