第1話

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きっと、さみしいからなだけで、私は今ちょっとだけ心が弱っている。 じゃなきゃ、この行動に説明がつけられない。 そうやって自分に言い訳を作っていた。 パチ、パチ、とキーボードを叩く。 寝 フ レ …っと。 興味本位で検索した文字を打ち込み、Enterキーを押す。 画面が切り替わり、スクロールしながらひとつひとつ流し見ていった。 …その中で、私はあるサイトに目を留めた。 『Just For You あなたの寂しさ、1晩埋めます。寂しさの理由をお聞かせ下さい。』 と書かれていた。 私は、そのフレーズに惹かれたのか、サイトをクリックし、読み込んでいった。 どうやらそこには、たくさんの人々の苦悩や切なさが書き込まれているようだった。 『一晩埋める』というのは、きっとそういった内容の相談にのってくれるということだろう。 寂しさの、…理由。 衝動でその怪しいサイトへキーボードを叩いた。私のことを知らない誰かに、聞いてほしかったのかもしれない。 .
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