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「あの…ここまでは理解できましたか?」
「あ、ああ… まぁ今のところ体に変化もないからいいが…」
「契約を結んだからといって魔力を無理矢理奪うことは基本的にはありません 確かに契約をした後数日は体調に変化がある場合がありますが…」
「そうなのか… じゃあここまでのことをおさらいするとエレナは訳あって天界というここではない世界のやつらから命を狙われているんだな?」
「そうです ベルセルクならまだしもトール神が動き始めたので危険ですね」
「ベルセルク? なんだそれ?」
「昨日の兵士のことです 天界は確に人間と変わらない者も住んでいますが何か素質があれば神や兵士になります」
「ちょっとまった 神も死ぬのか?」
「はい、神も寿命や戦いで戦死もあります その抜けた神の地位は素質をもつ者に譲られ天界はなりたっています」
「そうなのか… じゃあそのトールって言うのも…」
「はい、トールは雷を扱う神です 彼は普段気さくなのですが戦いでは非情です ただ昨日の彼は少しおかしかったような…」
「それでお前はどうする?」
「そうですね… 恐らくトールは私だけではなく貴方まで狙うでしょうから貴方の側にいたいのですが…」
「なぜ俺まで狙われるんだ?」
「貴方はあの場でトールを見てしまったことと私と契約を結んだからというものです」
「天界の奴らは見られただけで殺すのか?」
「はい、基本的には人間には見られてはならない存在ですから… これは私の失態です」
「そうか… もうどうすることも出来ないんだな…」
「こんなことに巻き込んでしまって申し訳ないです…」
「もう済んだことはいいさ… まだよくわからんがこれからはよろしく頼むな」
「はい、我が身に代えても裕哉殿を守る事を誓います!」
そう言ったエレナの目には堅い意志が宿っていた…
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