闘争

3/7
前へ
/81ページ
次へ
裕哉達が悲鳴のあった場所に着くとそこには散乱した買い物袋と食材があり近くに座りこんだ少女とあのトールがいた 「トール! 貴方は無関係な人間まで巻き込むおつもりか!?」 「それは心外だなエレナ… 俺は餌を撒いただけだ この女にはこの事を忘れてもらって何事もなかったことにしようと思っていたのだがな」 「私を狙うために一時とはいえ無関係な人間を巻き込んだことを後悔させてあげます」 「それは楽しみだな さあ来いエレナ!」 一瞬のうちに鎧を着るとエレナはいっきに距離を詰め斬りかかった 「大丈夫か?」 裕哉は座りこんでいた少女に話しかけた…すると少女は泣きながら裕哉に抱きついた 「ちょ、ちょっと! くそ!」 裕哉はその状態でなんとかそばにあった木の後ろに隠れた ギイン、ガァン、ザシュ、ギン――― さっきから何合斬りあったかわからない程凄まじい戦いを繰り広げていた 「昨日よりはやれるようだな」 トールは楽しげに笑いながらエレナの猛攻を弾いていた 「これでどうだ!」 「むっ!?」 エレナは今まで以上のスピードをもって斬りかかった 「くっ…」 さすがのトールも堪らず後ろへ飛び距離をつくった 「その魔力はどこから… !アイツか!」 トールが凄まじい形相で裕哉を睨みつけ腰にさしていたわきざしを裕哉に投げつけた 「えっ?」 裕哉はかわそうと思ったが無理だと悟り少女を自分の後ろへやった瞬間― ザシュ 嫌な音をたててまた裕哉の目の前は真っ赤になった…
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加