闘争

5/7
前へ
/81ページ
次へ
「貴様は人間か!? なぜそんなものをもっている!?」 「そんなこと知るか… ただこれでお前を倒せるというものだ」 「俺を…倒す? はっははははは、お前、何を言っているのかわかっているのか?」 「ああ 今の俺には力があるからな!」 ドクン― (熱い―体が熱い!) 裕哉の体はだんだんと熱くなり代わりに何か力が溢れ体中に満ちていた 「確かに貴様の魔力がはね上がったのは認めよう…だがそれだけで俺を倒せると思うなよ!」 トールは剣を構え一呼吸で間合いを詰め斬りかかった ガギィン― 「なっ!?」 「なぜ防げたか不思議って顔してるぜあんた!」 ギン、ヒュ、カン、ギチ― その剣技はまるで風のように早く、打ち付ける刃は烈火のように凄まじいものだった 「くっ 俺が人間などに遅れをとるとは…」 トールは苛立ち焦っていた なぜならこの結界も一時のものでもう消えてしまう時間だった 「人間! 貴様を我が障害として排除する!」 「最初からそうしやがれ もっとももう遅いかもしれないがな」 裕哉はトールの剣を弾き間をとると双剣をトールめがけて投げつけた 「はっ馬鹿なことを!」 トールはその双剣をかわすと裕哉に向かった…だが 「終わりだ!」 裕哉はエレナのもっていた剣で接近するトールの懐に入り斬り裂いた 「ガハッ」 トールはかわそうとしたが間に合わず胴から斬られかなりの深手を負いその場に倒れこんだ 「くそ… 俺もヤキがまわっちまったか」 それだけ言うと気を失ってしまった 「じゃあこれでさようならだな」 裕哉はトールの隣に立ち剣を構えた 「んっ? これは…?」 裕哉はふとトールのイヤリングを見た…さっきは気付かなかったが何かへんな感じがする 裕哉はもう気を失っているトールからイヤリングを外した 「がっ!? ぐっがっあああああ」 トールは急に苦しそうに悶えはじめた
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加