闘争

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「ぐっはっ つぅ…」 トールは少しずつ落ち着き目を開けた 「…? ここは?」 「ここは?だと? お前から仕掛けておいてそれはないだろ!」 「悪いがそんな覚えはないな… だいたいさっきまで俺は酒を飲んでいたはずだが?」 「な…に? じゃあお前は酒に酔ったあげくエレナまで殺したのか!?」 「なっ! エレナがどうした!?」 先ほどののふざけた態度から一変し凄まじい形相で裕哉を問いただした 「お前が投げた剣が刺さって…」 「何!? エレナ!痛!」 トールは無理矢理動いたので傷が更に開いた 「エレナをここに…」 「…わかった」 裕哉は先ほどまでのトールではないと思いエレナの元へ駆け寄った 「エレナ!大丈夫か!?」 「あっ… 裕哉殿…」 エレナはなんとかそう言葉にした 「今トールがお前に会いたがっているがどうする?」 「…わかりました すみませんが私を運んでもらえませんか?」 「ああ 行くぞ」 裕哉はゆっくりとエレナをかかえトールの元に向かった 「大丈夫か?エレナ…」 「ええ…まだなんとか」 「よし すまないがこれをエレナに飲ませてくれないか?」 それは小さな金色の玉だった 「これは?」 「これは璽玉という治癒の能力をもつ玉だ 傷の治癒には時間がかかるが治るはずだ」 「わかった」 裕哉は璽玉を受けとるとエレナに飲ませた
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