Fake

追憶

―――｢ハア、ハア｣

それはとても苦しそうに息をしている
先ほどの戦いで受けた傷のせいだろう
脇腹から血が流れている
敵は凛とした少女だったが手強く逃げることしかできなかった

｢ハア、ハア｣

なぜだろう、裕哉は自分じゃない何かの中にいた

｢＄％￠￡＃∴∞℃｣

訳のわからない言葉…だが理解できる
(食べ物が欲しいのか)
なぜかその意図をくみあげられる
だが自分の意識はボンヤリしており声さえだせない
まるでそこにいないような感覚だった

｢％◇◎＊§▲□★｣

それは嬉しそうに唸った…｢餌を見つけた｣という意味だろう

それはどこか見覚えのある家に入った
目の前には普通より魔力の高い人間の子供がいる

｢＃▲￠＄％∴｣

それはその子供を斬り裂いた
次の瞬間子供はまるで歪なパズルのようにグチャグチャだった

｢＄▲＃＊◇∞℃□￡｣

それは嬉しそうに哭くと奥にいる｢餌｣へ向かった

そこにはあの子の両親であろう男と女がいた

それは女を凝視した…魔力は人間と比べ桁違いに高い
父親は人間らしいが憤怒の形相でこちらを睨んでいる
｢貴様！赦さん！｣

男はタンッと力強く踏み込み傷を負っている脇腹に拳が放たれる

｢□￡℃§◎％＄！？｣

それは予想外の攻撃で驚きかわせず拳は傷口に埋もれる

｢￡￡￡￡℃℃§￠▲！！｣

それは絶叫した
人間にしては素早い動きと攻撃力…そうかあの女がなにか手解きをしたのか

｢＃∞￠￡％◎★□￥●■｣

しかしやはり戦闘体制に入った異形の敵ではなかった
男は善戦したがやはり異形の者に捕まり子供同様ズタズタに裂かれ肉は異形の者に食われて形なんてわからなくなっていた

｢￥●％￡＄§＊｣

それは｢餌｣をみたるがそこには姿はなかった

｢§∞＃▲∴■￥！｣

それは怒り狂ったように叫ぶ
だが先ほど子供がいた場所で魔力を感じた
｢居た｣
オレから逃げるなんて許さねぇ、八つ裂きだ
それは凶悪な顔付きで笑い嬉しそうにそこへ向かった