闇の中

7/7
前へ
/81ページ
次へ
裕哉がエレナのもとにつく頃には髪の白い青年と息もつかせぬ剣撃が繰り広げてあった 「ふっ!」 「ハァ! どうしたエレナ? お前はこんなもんだったか?」 「まだまだ!」 ギイン カン ギシ… そんな音が響くなか優劣は裕哉が見てもわかる程だった エレナは傷をかばいつつ戦ってはいるが辛く無いわけがない その証拠にさっきから顔を苦しげにしかめており剣を振るうスピードがだんだんと遅くなっていた 「そろそろ終わらせるか…」 ヒュッ 青年の剣がエレナめがけ振り落とされる… 「止めろー!」 その声に青年の動きが止まる その瞬間エレナは青年と間をとり剣を構えなおした 「人間…か? なぜ意識がある?」 「なぜ?そんなことはわからんが」 「確かにこの町には結界が張ってあるはず それは貴様ら人間を眠らせるもののハズだか…」 そうか…だから町が静まりかえっていたのかと裕哉は納得した 「まぁいい これを見られたからには…死んでもらおう」 そう言うと裕哉にいっきに近づき… 「なっ…!」 ズシャ 「裕哉殿!」 剣が裕哉の体を貫いた 「あっ…つう!」 「不運だったな人間」 裕哉の目の前は紅く染まり意識もなくなっていった 最後にみたのは涙を流しているエレナの姿だった…
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加