決意

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裕哉の目の前は紅かった 「またこの夢か…」 裕哉はうんざりした様子でその光景を見た 「違う…何か違う なんだったか?」 「お兄ちゃんこんな所にいていいの?」 後ろにはいつも夢でないていた子供が話しかけてきた 「こんな所にいたらお兄ちゃん死んじゃうよ?」 「なっ…!」 目の前の光景がぐらついていく… 「お兄ちゃん僕の……お願いね」 最後にそう子供の声が響いた 「ん… ここは?」 そこは見慣れた自分の家だった 「目が覚めましたか裕哉殿」 そこにはホッと安堵の息をつくエレナの姿があった 「俺…なんで寝てるんだ?」 「昨夜貴方はトールに襲われ斬られたのです あの後トールが退いてくれたので大事にはいたりませんでした」 それを聞いていろんな事を思い出した 「そうだ俺…斬られたんだ ん?待て、俺はどうやって傷をふさいだんだ?」 「それは私が治療させて頂きました…ただ私は貴方に謝らなければならない」 「なんだ?謝ることって?」 「まず一つ目は貴方に死ぬかもしれないような状況に巻き込んでしまったこと…もう一つは契約です」 「契約…? いまいちわからんのだが」 「私は昨夜治療をするとき魔力を使いましたが足りず貴方の魔力を得るため契約をしました… 契約とは単純に言うなら魔力のラインをつくる主従関係のようなものです」 「ちょっとまった 魔力ってなんだ?」 「魔力とは精神エネルギーの別称です それをうまく用いれば貴方達の言う魔法を扱えます 私達天界の者はその魔力で存在を保ちます」 「と言うことはお前は…」 「幽霊などではありません…ただこの世界での生は終えましたが」 「死んだってことか?」 「そう言うことになります この人間界で死ぬと天界と魔界にわけられます 天界は主に神や神獣などがいて魔界には悪魔がいます」 裕哉はただその説明に驚いてばかりだった…
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