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、だが通り魔とはなんだ、冗談にしては言葉がすぎる。
僕はくるりと後ろに振り返る。
「どうして摘麦ちゃんが僕の名前を知っているかについては問わない、表札を見ればわかることだからね。でも通り魔呼ばわりする理由については問わせてもらう!」
彼女との間を一歩一歩慎重に、じりじりと詰める。
「ちょっと待って! その手を今すぐ下ろしてよ。まさか私みたいな、か弱い少女に暴力を振るう気じゃないよね!?」
気がつくと地面から垂直に腕を伸ばしていた。
爪が刺さるほどに握り締められた拳を反対の手で押さえる。
僕としたことがカッとなって平常心を欠いてしまった。
「ふう……。ごめん、取り乱した」
彼女は「これじゃあ、まともな会話ができない」と唇を尖らせていた。
ならなぜ、いきなり通り魔呼ばわりしたのかという点については突
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