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1.眩暈へのサンタ・バーバラ
おうさまは、おてがみをだしたものをおしろによびだしました。
おめめをぎらぎらさせながら、おうさまはぎょくざでふんぞりかえっています。
おうさまは、いったいどんなはなしをするのかわくわくしているのです。
よにもめずらしいおたからか? じょうだまのおんなか? りょうどのゆずりわたしか?
ぐふふぐふ。おうさまはずっとずっとわらっていました。
そのものがもしつまらないはなしをしたら、そのくびをはねてかちくのえさにでもするつもりでした。
「城下町ノ者ガ参リマシタ。陛下、イカガ致シマショウ?」
「ココへ通セ」
おうさまのぎょくざのめのまえに、ひとりのおとこがあらわれました。
そのものがしたてのととのったふくをきていたためか、しっとぶかいおうさまはつまらなそうににらみます。
「オオ、我ガ主君ヨ。威風堂々トシタ、栄エアル佇マイ。ソノ御姿ヲ拝見スルワタクシノ目ノ誉レト存ジ上ゲマス」
そのいいぐさはわざとらしく、かしんのものものはわらいをこらえております。
しかし、ばかなおうさまはきぶんをよくしました。ぐへぐへと、きもちわるいわらいごえをだしながら。
Turn.R
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