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「──チミ…。起きるんだ」
私は、重い頭を起こして。すぐに異変に気づく。
え? ここは…?
薄暗い路地。
目の前には、ネオンの消えた看板……スナック斉藤?
私、なんでここにいるの? 確か、本が光始めてそれから──。
頭を抑え、困惑する私にニープレックスダミュアルが慌ただしく声をあげる。
「大変だ! 大変だよチミィ。問題発生! 見なさい空を」
何がなんだかわからない。私はゆっくりと空を見上げた。
「……う、嘘でしょ」
血のように真っ赤な月がそこにはあった。今にも落ちそうなくらい巨大に見える月。
「チミが供物に変なの入れたせいで、私の"チカラ"に変な作用を及ぼしたみたいだ。ここは、なんだか世界の理が崩れてしまってるみたいなんだよね。私も全く知らない世界だ。
いったい、どうして責任とってくれるんだいチミ」
どうするって言ったって。私には何がなんだか……。
そうだ! スナック斉藤に誰かいるかも知れない。
私はひとまず目の前にあるスナック斉藤に入ることにした。
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