第三走者 tosh & いち仔 《ファンタジー》

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「──チミ…。起きるんだ」  私は、重い頭を起こして。すぐに異変に気づく。  え? ここは…?  薄暗い路地。 目の前には、ネオンの消えた看板……スナック斉藤?  私、なんでここにいるの? 確か、本が光始めてそれから──。  頭を抑え、困惑する私にニープレックスダミュアルが慌ただしく声をあげる。 「大変だ! 大変だよチミィ。問題発生! 見なさい空を」  何がなんだかわからない。私はゆっくりと空を見上げた。 「……う、嘘でしょ」  血のように真っ赤な月がそこにはあった。今にも落ちそうなくらい巨大に見える月。 「チミが供物に変なの入れたせいで、私の"チカラ"に変な作用を及ぼしたみたいだ。ここは、なんだか世界の理が崩れてしまってるみたいなんだよね。私も全く知らない世界だ。 いったい、どうして責任とってくれるんだいチミ」  どうするって言ったって。私には何がなんだか……。  そうだ! スナック斉藤に誰かいるかも知れない。 私はひとまず目の前にあるスナック斉藤に入ることにした。
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