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いきなりだがここは学校だ。
いきなり過ぎる?
そりゃそうだよね、俺もびっくりしたもん。のっけからここは学校だって言われても仕方がない。
じゃあもう少し説明しよう。
ここは緑山高校。緑山ニュータウンの中にぽつんと建っている、どちらかといえば田舎な学校だ。
まあ田舎というよりベッドタウンというべきか。
そして俺、新田直也はめでたくこの学校に合格した訳だ。
そして入学式のある体育館へと歩いているんだが―――
「直也~おぶしッ!!」
「ったく朝っぱらからやかましい」
この『おぶしッ!!』というよくわからない擬音語を上げた寄生虫……もとい、俺と同じ制服を着たただの屍は石谷健吾。
『いしたに』と読みそうになるが、『いしや』である。いや、どうでもいいか。
「全くよぉ……殴るこたぁ無いだろ……それに今なんか失礼な事思ってただろ」
「単にしかb……じゃない、寄生虫を削除しようとしただけだ」
「今屍って言おうとしたよね!屍って」
「朝からごちゃごちゃうるさいんだよ!」
とまあコイツの扱いはいつもこんな感じだ。
え?殴るのはやり過ぎって?
しょうがないじゃん、抱き着こうとしたんだもんコイツ。俺、ゲイじゃ無いし。
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