†ヴィルヌーヴ†

始まり×終わり

頭で理解する前に体が反応した。

先ほどまで走っていた足を急に止め、滑り込むように伏せる。

右手は肩のマルーンが落ちないように押さえ、左手は魔法の準備をする。

そして滑り込み様に、振り返った。

頭の上では何かが空を切る。

鋭い何か。

もう少しでも反応が遅れていたら、今頃頭を切り裂かれていたに違いない。

マリアはその何かに向き直り、紫色の瞳で睨みつけた。