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それは空中を浮遊していた。
黒々とした石の体に、コウモリの様な翼を持つみすぼらしい巨大な魔物。
【ガーゴイル】であった。
ガーゴイルは暫くの間、羽ばたきながらマリアの様子を眺めていたが、突然翼を畳み地面に足を付ける。
着地し、戦闘体勢を取ったのだ。
着地の瞬間、砂埃が舞い、重厚な音が響く。
そして体を構えるとき、石の擦れるような乾いた音が聞こえた。
(……。なんて重そうな体なのかしら……。)
それらの音はガーゴイルの体の重さを十分に想像させた。
あの巨体の一撃を食らったら……。
マリアは生唾を飲んだ。
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