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マリアとカミールの距離があと数歩といったところ、カミールは突如その歩みを止める。
そして片手で眼鏡の位置を直しながら、棚の方に向き直った。
棚の角でちょうどマリアの姿こそは見えなかったが、あと一歩でもカミールが横に動けば、マリアの姿はあらわになるだろう。
そんな距離である。
マリアは覚悟を決めた。
「お嬢様……。」
カミールは静かに諭すように言った。
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