prologue

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そのままでよかったのだ。 何もしなくてよかったのだ。 善が悪、悪が善で、正義がまた別の正義という表裏であるのならば。 即ち普通は、また別の普通の表裏。 表裏だからこそ、何もしなくてよかったのだ。 無理に「普通」になろうともがかなくてよかったのだ。 私は私のままでよかったのだ。 生半可な人真似で、普通になろうとして。 結果、「異質」を呼び込んだ。 そのままでよかったのだ。 そのままで。 ああ、 私は恐らく。 もうここでは生きてはいけないだろう。
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