ルーベクスの呪い

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        「……ジン、これを見てくれ」  地下から出た後、拳の中を確認しようとした若い男が情けない声を上げた。 ジンと呼ばれたリーダー格らしき男が振り向く。 「どうしたタケ。……!!」 ジンも、タケの握っていた物を見た瞬間言葉をなくした。 「どういう事だ……お前、確かに持って来たのか?!」 「当たり前だ! この手にしっかり掴んで……」  前方で慌て出した2人の元に、剣の血糊を拭き取り終えたヤグが寄って来ると 「……なんで石ころなんか持ってきた?」 冷ややかな視線と言葉をタケに投げ付けた。 タケはムキになって反論した。 「バカヤロー! お前も見ただろう……というか、お前から渡されたんだろ! 俺は受け取った後、確かに両眼とも持って出た!!」  手の平に包まれていた二つの六芒眼。 その内の一つが、血に汚れた只の丸い石に変わっていた。
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