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「あーあ…ホント今日はやんなっちゃうねー。」
「ホントホント。何が悲しくて世界史ばっかり二時間も…。」
その日のホームルームは、いつになく世界史とその教師、高村への愚痴が多かった。
「瑠璃ー今日も一緒に帰ろうぜっ!」
「わっ!…ちょっと由美?」
そんな話し声をBGMに窓の外を眺めて大きなあくびをしていた私に、容赦なく抱きついてきたのは同じクラスの倉橋由美。
私の幼馴染みだ。
「頭ぶつけそうになったっての!」
「あははごめんごめん。で、今日はどこよってく?」
家が近いのでいつも一緒に帰っている。
その途中によく色々なお店に寄っていく。
「近場はもう見飽きたしねー。ちょっといつもと違う道でも通ってみようか。」
「だね!」
その後も由美と他愛のない話をしていたら、担任の金原先生が入ってきた。
「おーい、お前ら席つけー。ホームルーム終わらせないぞー。」
「それは勘弁。」
と、由美は後でね、と言い残して鞄をもって席についた。
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